恋 時 計 ~彼はおまわりさん~




「これ以上、命を奪うな。逃げられたらそれで良いだろ?」


「何言ってんだよ。顔を見られてんだ。殺さなきゃ捕まる」


「秀治……」




初めて息子の名前を口にした浅野さんの声は、とても悲しそうだった。



「早く避けてくれ」


「秀治……。やめてくれ……」




浅野さんは、構えている銃に左手を添えた。



こんな……こんな事って……。

親子で銃を向け合うなんて……。




「早く避けろ!」


「この子は、巻き込まれただけなんだ。
この子だけでも助けてやってくれ」


「いいから、早く避けろ!!」


「秀治」




まるで悪夢を見ているよう。


浅野さんの言葉の後、銃の発砲音が響き、私は目を塞いだ。