「あんたには、もっと酷いことをしてやろうか……」
放心状態の私を、おまわりさんから引き離そうとする手が近づいてくる。
体が宙に浮きそうになった時、浅野さんの声が聞こえた。
「やめろ」
私は浅野さんの足音が近づいてくる中、しがみつく様におまわりさんを抱き締めた。
「早く逃げよう。警察がもうすぐここに来るはずだ」
「親父、そう焦んなよ。まだ終わってないだろ」
言葉を吐き捨てるように口にした息子は、近くにあった木箱に向って歩き始めた。
すると浅野さんが、私の耳元で囁いた。
「――‥約束、守れ」
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