恋 時 計 ~彼はおまわりさん~




「教えて下さい。浅野さんは、この息子さんを助けるためにこんなことをしてるんですか?」




え……?



おまわりさんの言葉に驚いた。



浅野さんの息子……?

浅野さん、前に息子は亡くなったって言ってたはず。


けど、あの男の人が……。



私はおまわりさんの手の中にある男に目を向けた。





「そうだ。俺は家族を裏切ったせいで、生まれてきた息子とすぐに別れ、何もしてやれなかった。だから息子はこんな組織に入って……。情報を流すことは、組織から抜けるための条件だったんだ」


「そんな、だからって――」


「わかってる! けど、それでも助けてやりたいんだ。この組織から離れて、もう一度やり直してほしい」



「一人の警察官が命を失ったんですよ!? 美樹のお父さんだって火傷を負って苦しんだ!!」


「申し訳ないと思ってる。昔の捜査ミスを脅して、情報をもらってた。
けど……まさか爆破されるとは思ってなかったんだ」




信じられない。


浅野さんは、会う度お父さんのことを心配してくれてた。

けど、それはお父さんを思ってたわけじゃなく、記憶が戻ることを気にして……。



「浅野さん……嘘ですよね?
浅野さんは、警察官ですよ……」



涙ぐんだ私に、浅野さんが悲しい瞳で答えた。



「すまない、美樹ちゃん。俺は警察官であるまえに、父親なんだ……」