「美樹ちゃん?」



突然、後ろから声をかけられ、私の体がビクッと反応した。



「浅野さん……」


「どうした? 顔色が悪いな」




黒い車から私服で降りてきた浅野さんは、警察官の制服を着ている時より優しく見えた。



「あの……」


おまわりさんのこと、浅野さんにも言っちゃいけないよね……。



「あの、今日はお休みなんですか?」


「ああ。ちょっと忘れ物を取りに来たんだ。それよりも、大丈夫かい?」


「は……はい」



戸惑いを隠せないでいる私に、浅野さんが声をかけた。



「もしかして、宮本を探してる?」


「え……」


「そうだろ?」


「いえ、違います」


「隠さなくていいよ。俺は大体のことは聞いてるから」




浅野さんの言葉に、一瞬目を丸くした。


けど、浅野さんはおまわりさんを息子のようにかわいがってる。



浅野さんになら……。