「なんだか懐かしいね」 「うん。あの時、嬉しかったんだよ」 「え?」 「おまわりさんが私と同じように布団に潜って電話してくれたこと」 「ほんとに?」 「うん、すごく嬉しかった」 「じゃあ、今日はこのまま朝までお喋りする?」 「だーめ。ちゃんと寝ないと傷に良くないです」 「なんか、看護師さんみたいに厳しいなぁ。……ふっ」 「なに? どうして笑ったの?」 「俺、十年後は美樹の尻に敷かれてそうだなって……」 「え~、そんなことないよー!」 「そうかな?」 「そうだよ~」