恋 時 計 ~彼はおまわりさん~





おまわりさんの言葉を聞いた時、一瞬時の流れが止まったように思えた。



嬉しい以上、幸せ以上……

この気持ちを表す言葉があるなら、今すぐ教えてほしい。



言葉が見つからない想いが体中を駆け廻り、おまわりさんを抱き締めた。



「おまわりさん!」


「イタタッ」


「あっ――、ごめんなさい!!」




慌てて離れようとした私の背中を、おまわりさんがぎゅっと抱き寄せた。




「大丈夫だから離れないで」



耳の近くで響いたおまわりさんの声に、胸の奥がキュウッと掴まれる。


私は瞼を閉じ、おまわりさんの背中にそっと触れた。





「ずっと傍に居てくれますか?」




おまわりさんの囁く声に、私は微笑んで答えた。





「はい――‥」







ずっと傍に居て下さい……。