背中に感じる小さな胸の音が愛おしい。
愛しくて愛しくて……
涙が止まらない。
この涙を愛と呼んでいいですか――?
この気持ちを、愛してると言ってもいいですか――?
「美樹……」
そっと私を振り向かせたおまわりさんは、優しい眼差しで私を見つめた。
そして、語りかけるようにゆっくりと話し始めた。
「この事件が解決して、美樹が看護士さんになって、俺が一人前の男になったら……
このリングを指輪にしませんか?」
おまわりさんの手の中には、首にかけられているネックレスのリングがあった。
え……
それって……
「結婚しよう……」

