恋 時 計 ~彼はおまわりさん~




震えているのは、さっきおまわりさんのポケットから出した携帯電話だった。


一度切れた後、二度三度とすぐまた震え始める。



どうしよう。

緊急の連絡とか……?




恐る恐る電話を耳にあてた途端、中から威勢の良い女の人の声が響いた。



『宮本! 電話に出ないってことは、また一人で無茶したんじゃないの!?』



『ちょっとっ、黙ってるってことは図星ね!?』



どうしよう。何か言わないと……。



「あの……」


『……あれ? 宮本の携帯じゃなかった?』


「いえ、そうです。そうなんですけど……」


『……宮本は?』


「えっと……その……おまわりさんは……」




言葉を詰まらせた私に、女の人がはっきりとした口調で言った。



『美樹さん?』


「え……」


『美樹さんね?』


「はい……」



何故か私の名前を知っているその人は、『すぐに行くから待ってて』と言い電話を切ってしまった。


私は訳がわからないまま電話を戻し、おまわりさんを見守った。