「これ飲んで下さい」
「ん……ありがとう」
自動販売機で買ったお茶をおまわりさんに渡すと、
おまわりさんはゴクゴクッて勢いよく飲んだ。
「ふぁ~。美味しい。なんだか今日は贅沢な一日だな」
「おまわりさんてお酒弱かったんですね?」
「あ……バレちゃった? 緊張してたせいでいっぱい飲んじゃった」
恥ずかしそうに笑うおまわりさんを見て、私の緊張は自然と和らいでいった。
「俺ね、美樹ちゃんのお父さんに憧れてるんだ」
「お父さんに?」
「うん。警察学校で特別講義をしてくれた青木警視長がこんにな近くにいたなんて、ホントにびっくりした」
お父さんてそんなに偉い人なの?
家にいるお父さんしか知らない私は、おまわりさんの言葉に驚いた。

