「そろそろ失礼します。長々とお邪魔してすみませんでした」
時計が10時を回り、お父さんが酔いつぶれてソファで寝ると
おまわりさんがお酒で赤くなった顔で私たちに言った。
「宮本さん、主人に付き合ってくれてありがとうね。
またいつでも来てちょうだい」
「はい。ありがとうございます」
玄関を出るおまわりさんを見送りリビングに戻ると、そこには寝息をたてて気持ち良さそうに眠ってるお父さんと
見慣れない黒い携帯電話が落ちてた。
あっ、おまわりさんの携帯だ!!
「お母さん、私忘れ物届けてくる!」
私は迷わず玄関を飛び出し、おまわりさんの後を追った。

