恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



「今日は本当にありがとうございました」


玄関で靴を履いたおまわりさんが、見送る私たちに頭を下げた。




「もしよかったらまた来てください」


笑顔で言うお母さんの隣で手をふるおばあちゃん。


私は俯いて何も言わずに立っていた。




落ち込んだりなんかしないで、

もっとおまわりさんと話せばよかった……。



後悔の思いで一杯になってたら、急に玄関のドアが開き


「ただいま」ってお父さんが警察署から帰ってきた。




お父さん!?

こんな時間に帰ってくるなんて珍しい。



いつもより早く帰宅したお父さんにみんなが驚いていると、

お父さんを目の前にしたおまわりさんが声をあげた。