「送ってくれてありがとう」
家に着くと、辺りはもう真っ暗で星が綺麗に輝いていた。
「風邪ひかないようにな。明日からまた学校頑張って」
「うん。せんせ、一哉もね」
呼び慣れない一哉の名前……
戸惑うことなく口にすることが出来るようになったら、
その時は、一哉だけを想うことが出来てるかな……?
胸に痛みを感じていると、一哉が繋いでいる手に視線をそっと移した。
「大丈夫か?」
「え……?」
「無理、してるんじゃないかと思って」
私の心を見透かしているように、一哉は少し寂しげに言葉を口にした。
メニュー