「そういえば拓也くんは元気? 専門学校に通い始めたんでしょ?」
「うん、まぁね……。拓也は相変わらず元気だよ」
答えをなんとなく濁した智子。
口元は笑ってるのに、目が笑ってないように見えた。
もしかして、上手くいってないのかな……。
智子を見つめている私の隣で、先生が智子に質問した。
「井上の彼氏、どこの学校に行ってるの?」
「それは……。まぁ、そんなことはいいじゃない!
私、そろそろ帰るね。二人のお邪魔虫になりたくないからね!」
「えっ? 智子!?」
急に立ち上がった智子は、笑顔で手を振り喫茶店を出て行った。
さっきまで楽しそうに話してたのに、拓也くんの話題になってからの智子は不自然だった
。
どうしたんだろう……。
そういえば最近の智子、私と電話で話してても拓也くんのことを話さなくなってたよね?
智子の姿が見えなくなっても、ずっと智子のことが気になっていた。

