恋 時 計 ~彼はおまわりさん~




智子の優しい思いに触れた私の心は少し落ちつき、穏やかな気持ちで病院の中に戻った。


病室に入ろうとした時、休憩室から顔を出したおばあちゃんが声をかけてきた。


「美樹ちゃん、お父さん診察で疲れて眠ってるからこっちにおいで」



今朝とは違う穏やかで満ちたばあちゃんの顔。

私は頷いた後、手招きされた休憩室の中に入った。




休憩室に入ると、温かいお茶を口にしているお母さんが畳の上に座っていた。


暖房があまりきいてないせいか、湯呑から白い湯気がゆらゆらと上がってるのがはっきりと見える。



私は畳に座りながらお母さんに向かって口を開いた。



「お父さんの診察はどうだったの?」

「……うん。それがね……」




重たい口調のお母さんに、一瞬緊張が走った。



もし、なにかあったら……どうしよう……


私は速まる鼓動を抑えるように、冷静な顔つきでお母さんの話を聞いた。