「私に良い考えがあるよ」


不安になってる私に、何かを企んでる笑顔の智子が言った。


「良い考えって?」

「うん。まぁ、ちょっとね。
明日の夜家から出られる?」

「出れるけど……。
智子は? お母さんたちが許さないでしょ?」

「明日は両親とも帰りが遅いから大丈夫なんだ」



智子の企みを聞く前に、チャイムが鳴って私達は席に着いた。



智子、何考えてるんだろう……。


なんとなくいやな予感を感じながらも、私は智子に頼るしかなかった。


今の私は、おまわりさんを失いたくないっていう気持ちで一杯だったから。