恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



「こんにちは。あの……これどうぞ。
浅野さんの腰痛に効きそうな薬があったので……」

「えっ……。ああ、ありがとう。
わざわざ持ってきてくれたんだ……」



浅野さんは、少し不自然な笑みを見せながら薬を受け取った。



「あの……おまわりさんは?」



今日は勤務日のはずだよね……?


交番の中におまわりさんの姿がないことに気づいた私は、小さな声で浅野さんに聞いた。




「宮本?
宮本なら今日は休みだよ」


え……?

おまわりさんが休みなのは明日のはず……。



「明日がお休みの日じゃありませんでしたか?」

「ああ、明日だったけど、昨日急に休みにして欲しいって言ってきたんだよ。
聞いてなかった?」



昨日の夕方におまわりさんにあった時、そんなこと一言も言ってなかった。


きっとおまわりさんは、忙しくて言い忘れたんだね……。



「いえ、その……昨日は忙しくて会ってないから」


頭の中で理由を考えながらも、胸の中が急に不安に襲われ咄嗟に嘘をついた。


嘘なんてつかなくていいのに……。