「メニューは予約した時に頼んじゃったけど、何か食べたいものある?」
私はおまわりさんの言葉に、首を大きく横に振った。
良かったぁ……。
こういう感じのお店って、きっと訳が分からない名前のモノが多いんでしょ?
私じゃ決められないよ。
胸のドキドキが収まらず、私はキョロキョロと視線を周囲に向けた。
「どうした? なんか緊張してる?」
テーブルを挟んで私の顔を覗き込むおまわりさんに、私はぎこちなく頷いた。
「う……うん。お店の雰囲気は温かくて良い感じなんだけど……他のお客さんってなんかみんな大人っていうかなんていうか……」
「大丈夫だよ。そのうち家族づれのお客さんも来るから」
おまわりさんは微笑み、私の頭を優しく撫でた。
おまわりさん、前にもここに来たことがあるのかな……?
不意に頭に過ぎった言葉が、口からそのまま出てきた。
「おまわりさん、ここに来たことあるの?」
言った後で後悔した。
もし付き合ってた彼女と来たことがあるなんて言われたら立ち直れない。
けど、後悔しても遅いこと……
おまわりさんは私の目をじっと見つめ言葉を口にした。

