「あれ? 浅野さんだ……」
「え……?」
おまわりさんの視線の先には、交番に入っていく浅野さんの姿があった。
私たちの恋を応援してくれた浅野さん。
時々顔を合わせると、笑顔で手を振ってくれる優しい人なんだ。
「今日は公休だったはずなのに……」
「そうなの? けど制服着てたね」
「ああ……。浅野さん、最近よく急に休みをとったり、勤務日を変わってほしいって言うんだ」
「何かあったのかな?」
「……うん、今度聞いてみるよ」
心配そうに浅野さんの影を見つめているおまわりさん。
私もなんだか心配だな。
私たちの味方になってくれた浅野さんが何かに困ってるなら力になりたい。
「もし言えることだったら私にも教えて?
何か出来ることがあったら協力したいから」
「うん、わかった」
おまわりさんは微笑み、
「また後で」と言って車を走らせた。

