恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



眠りから覚めた私は、おまわりさんの車で家まで送ってもらった。


「ごめんね、せっかく一緒に居たのに眠っちゃって」

「いいんだよ、それで。俺も気持ち良く眠ったしね」


おまわりさんが優しく微笑み、私の頭をクシャッと撫でた。


おまわりさんの手っていつも温かい。

その温度を感じる度、私の胸の温度は上昇するんだ。



「寒くないか?」

「うん、大丈夫。後で電話するね」


車内から出た私は、白い息を吐きながら車のドアを閉めた。

それと同時に、おまわりさんが窓を開けて顔を見せてくれる。


私はおまわりさんに微笑みかけ、暗くなった空を見上げた。



あっ、星だ……。



小さな星が顔を出していた。

それはまるで、私とおまわりさんのネックレスのリングように小さく輝いている。




時が経っても、リングの輝きは変わらない。


変わったのは、おまわりさんへの想いが大きくなっていること。