「宮本は特別なんだよ」
特別……?
お父さんの言葉に、私は目を丸くした。
おまわりさんなんて、驚きすぎて間近にあるお父さんの顔を黙ってじっと見つめてる。
「どうして宮本さんは特別なの?」
お母さんがみんなの声を代弁するかのように、お父さんに質問した。
「……それはなぁ」
お父さんはおまわりさんから腕を外し、コップに入っているビールを飲み干した。
そして少しの間の後、おまわりさんに視線を向けて話し始めた。
「俺はずっと忘れられなかったんだよ。
宮本、おまえが婆ちゃんと帰って行った後ろ姿を……」
おまわりさんはお父さんの言葉の後、一瞬俯いた。
そして何かを思い出したかのように目を見開き、顔を上げた。
「青木……警視長、もしかして俺のこと覚えててくれたんですか……?」
「ああ、覚えてたっていうより、ずっと記憶の片隅に残ってたんだよ」
視線を重ねるお父さんとおまわりさん。
二人は、私たちには見えない時の流れの中にいるようだった。

