恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



お母さんが言っていたとおり、お父さんは珍しく早く帰宅した。

そしてみんなで食卓を囲み、家族団欒の時を過ごした。



こんなふうに家族がそろって食事をするのは久しぶりだな。

だから、なんだかすごく嬉しかった。


嬉しくて、楽しくて……

私はみんなに修学旅行の思い出を話し、他愛のないことで笑ったり膨れたりしていた。



きっと、これが家族の温もりって言うんだね。

触れなくても感じられる、特別な温もり。


その中にはおまわりさんがいて……

大好きなおまわりさんが、目の前で楽しそうに笑ってる。


私の胸の中は、言葉に出来ないほどの喜びで溢れていた。




「あなた、ちょっと飲み過ぎじゃない?」


空いたビールの缶をテーブルから運んでいくお母さんが言った。


普段お酒をほとんど口にしないお父さんなのに、今日はもう三缶目。



「たまにはいいじゃないか。宮本だって俺が飲んでないと飲みにくいだろ?」

「えっ!?」

「もぅ~、宮本さんのせいにしちゃって」


お母さんは怒った口調で話しながらも、嬉しそうにビールを冷蔵庫から持ってきた。



こんなふうにお父さんが楽しそうにお酒を飲む姿を見るのは、前におまわりさんがうちに来たとき以来。


おまわりさんのコップにビールを注ぐお父さんの顔はお酒で赤く、目尻が嬉しそうに皺をつくっていた。