「昨日はごめんね。
君には挨拶もしなかったよね、俺……」
おまわりさんの言葉に、私の鼓動は飛び跳ねた。
おまわりさんがそんなこと気にしてくれてたなんて……。
私のことを気にかけてくれてたなんて……。
「あの、私こそすみません。
昨日、ホントはちゃんとお礼を言いたかったのに、言えなくて……」
「えっ、ううん。全然気にしなくていいよ」
いつも遠くから見ていたおまわりさん。
おまわりさんの優しい微笑みが、こんなに近くにある。
幸せを噛みしめてる私に、おまわりさんが腕時計を見て口を開いた。
「せっかく早く家を出たのに足止めさせちゃったね」
いいんです!
おまわりさんと一緒にいられるなら、いくらでも足止めしてたい!
心の中でそう叫んでるのに、
おまわりさんは「いってらっしゃい」って手をあげた。
えっ、もう行っちゃうの!?
私の思いとは裏腹に、私に背を向けたおまわりさん。
待って!
私、おまわりさんのことが知りたい。
おまわりさんのことが――