「バーカ。早く寝なさい」


先生は冷たく私に言葉を投げて、その場を去ろうとした。



なによ……。

先生のことを思って言ったのに、バカはないでしょ?


不機嫌になった私は、浮かせていた頭を枕に沈めた。



もぅ、絶対先生に異性の話なんかしないんだから……。



廊下の明かりが、出て行こうとする先生の影を映す。


その影の動きが止まったと同時に、先生の声が聞こえてきた。



「俺、そんなに疲れてないぞ。
これでもけっこう楽しんでる……」



え……?




「おやすみ」


枕に沈めた頭を宙に浮かせたと同時に、先生の影が消えていった。