時計の針が12時を回ると、部屋のドアがノックされた。


「やばっ、きっと先生だよ!!」

「早く電気消して!!」


私たちは急いで照明を消し、布団の中に頭まで隠した。



一気に静寂した部屋の中で、動く人の気配をわずかに感じる。


やっぱり先生が見廻りに来たんだ……。

誰かな……? 教師ってけっこう大変だね。


私は怖いもの見たさの気分で、ちょっとだけ布団から顔を出した。


廊下の薄暗い明りが部屋に差し込んでいて、教師の姿が映し出される。



あ……鈴木先生。


先生は部屋の中の畳までは入って来ないで、みんなの様子を見ていた。


やっぱり、男だから……かな?

本当だったらもっと部屋の中まで入ってくるよね?



私はそぉっと先生に向って手を上げた。