麦茶を飲んで一休みすると、おまわりさんがベランダの網戸を開けた。
「そろそろ始めよっか」
始める……?
私はおまわりさんの言葉に目を丸くした。
ベランダから外に出たおまわりさん。
私達は後を追うようにベランダに近づいた。
そしてベランダの冊子に手をかけた瞬間、私は声をあげた。
「うわ~」
驚く私を嬉しそうに見るおまわりさんの後ろには、準備万端のバーベキューセットが並べられていた。
「おまわりさん、始めるってバーベキューのことだったの?」
「そうだよ。俺、美樹ちゃんに食べさせられるようなごちそう作れないし、夏っていったらバーベキューだろ?」
「やったね、美樹! 美樹はバーベキュー大好きだもんね!」
智子の言葉の後、私は嬉しくて満面な笑みのおまわりさんに大きく頷いた。

