「ここがおまわりさんの家?」
「ぼろくて驚いた?」
「ううん、素敵だよ!」
街からほんの少し離れたおまわりさんの家は、小さくて古い平屋建てだった。
一見見たら、おまわりさんが言った言葉のとおり、ぼろい家と言えるのかもしれない。
けど、木の柵も家の外壁も、それぞれ丁寧に白いペンキで塗装され、かわいらしく見える。
照れながら私達を家の中に案内するおまわりさん。
その優しい瞳から、この家をとても大切にしてるんだなって感じた。
「この家クーラーないから暑いだろ?
今冷たい麦茶持ってくるから待ってて」
リビングの中央にあるソファに腰をかけた私達は、おまわりさんの家の中を見渡した。
ここがおまわりさんがいつも過ごしている部屋か……。
小さなテレビと丸いテーブル。
壁には背の高い本棚があって、その中にはたくさんの本と写真立てが置いてあった。
男の人の部屋って、物がごちゃごちゃと置いてあるか、シンプルなものなんだと思ってた。
だけど、おまわりさんの部屋はちょっと違う。
初めて来たのに、なんだかとても落ち着くんだ。
この椅子におまわりさんはいつも座っているのかな……?
そう思うだけで、体中がおまわりさんを感じちゃう。

