車で過ごした10分間。
私はおまわりさんの運転する姿にずっとドキドキしていた。
ハンドルを握る綺麗な手。
アクセルを踏む白いスニーカー。
ミラーを見る視線。
時々優しく微笑みかけてくれる眼差し。
気さくに智子と拓也くんに話しかけてる唇。
全てがかっこよくて、
全てに恋しちゃう。
おまわりさんの家に着く頃には、緊張してた拓也くんも馴染んでみんなでワイワイと騒いでいた。
きっと、おまわりさんと拓也くんの思いが通じ合ってたからだね。
おまわりさんに拓也くんのことを伝えた時、おまわりさんはすごく喜んでくれたんだ。
『俺も話したいな』って。
いつの間にか二人は、兄弟のように楽しそうに話すようになっていた。

