恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



「ごめん、美樹!」


えっ!? 智子??

なんで智子と拓也くんが車に乗ってるの??


「これ買ってたら遅くなっちゃった。そこの角でおまわりさんに会って乗せてもらったの」

「そ、そうだったんだ……」



驚いて目を点にしている私は、平然を装って答えた。


大量の花火が入った袋を見せる智子と、少し緊張気味に笑ってる拓也くん。



二人が時間に間に合って嬉しいような、ちょっとガッカリしたような……。


もわもわとした変な気持ちで、おまわりさんの助手席に乗った。



「待った?」

「う、ううん」


優しく微笑んで言うおまわりさんの言葉に、視線を逸らしながら首を横に振った。



やっぱり智子たちが居てくれて良かった。


こんなに近い距離でおまわりさんと二人きりだなんて、やっぱり緊張しちゃう。



自分勝手な思いに呆れながらも、私はおまわりさんの助手席に座っている喜びを感じていた。