おまわりさんの家に行く楽しみが、一日の授業をあっという間に終わらせてくれた。
放課後の学園祭準備も自然と力が入る。
嫌いな授業も、苦手な作業も、
おまわりさんに会うための待ち時間って思えて楽しかった。
「美樹、用意したらすぐに拓也と美樹の家に行くから!」
「うん、わかった。あとでね!」
校門を出た智子と私は、それぞれ急いで家に帰った。
なぜなら私達は汗臭いから。
学園祭の準備で買い出しをしたり、看板のペンキを塗ったりしているうちに、自然とシャツが汗で濡れていた。
自分じゃわからないけど、きっと臭い。
好きな人に会うんだもん。
汗臭いままじゃいられないよ。
それに、少しでも綺麗な自分で会いたいよ。
家に着いた私は、大急ぎでシャワーを浴びて、智子たちが来るのを待った。

