恋 時 計 ~彼はおまわりさん~




「おまわりさん家、楽しみだね」

「うん」


上履きに履き替えて廊下を歩きはじめると、職員室から鈴木先生が出てきた。


「鈴木先生!」



私に気づいた先生は、こっちを見ながら静かに職員室の扉を閉めた。



「先生、昨日はありがとう。先生からのプレゼント、最高だったよ!」

「そりゃ良かった」


素っ気ない言葉とは裏腹に、先生の瞳は優しく私を見ていた。


「ちゃんと気持ち伝えて、おまわりさんの気持ちも知ることが出来たよ」

「よかったな。俺はもう助けてやらんから、しっかり掴まえてるんだぞ」

「うん!」



先生は私の頭をポンポンと叩き、体育教官室に向かって歩きはじめた。




先生、ありがとう。


初めは、もしかすると厄介な教師かもって思ってたけど、

先生は良い人だね。



私、先生が担任でよかった……。