『白鳥座が見えるよ』
「白鳥座……?」
『あの強い光の星』
電話から聴こえてくるおまわりさんの声と、真っ直ぐに指すおまわりさんの指が私に白鳥座を教えてくれた。
「ほんとだ……綺麗」
熱を帯びてた顔が、強く輝く綺麗な星によって落ち着き始めた。
こんなふうに離れた場所で同じ星座を見上げる私達は、宇宙から見たら小さな光にもならない。
存在すら気づかれないんだろうね。
だけど、今の私達は見えない光で繋がっているような気がする。
誰も見ることが出来ない、二人の心の中で……。
私は星を見つめているおまわりさんの鼓動を、胸の中で感じていた。

