『今、大丈夫だった?』
「うん」
『よかった。今俺のところに布団ないから』
明るいおまわりさんの声に、顔が熱を帯びた。
おまわりさんの言葉は意地悪?
それとも優しさ……?
なんだか恥ずかしいよ。
『本当はもっと早くに電話するつもりだったのに、遅くなってごめんね』
「ううん。仕事忙しいのに掛けてくれてありがとう」
『声聞きたかったから。それに誕生日だろ?』
「う……うん」
おまわりさんの『声聞きたかったから』が、とても嬉しかった。
それに、誕生日という言い訳をすぐに付け足したおまわりさんの照れた声……。
私は嬉しくて嬉しくて、胸の上にあるネックレスをギュッと握った。

