「宮本は俺に何も言わなかったけど、おまえの態度はバレバレなんだよ!!」
はははっと笑う浅野さんの声が明るく響いた。
「だから二人の関係に気づいてるのは俺だけじゃないし、正直良く思ってない奴もいるけど、気にすることないんじゃないか?
勤務態度だって前以上に良くなってるんだから」
私は嬉しくて、真っ赤な顔で涙を浮かべていた。
こんなふうに思ってくれる警察官もいるんだね……。
それに、おまわりさんの気持ちが嬉しかった。
私の知らない所で、私を想ってくれていたおまわりさん。
夜通しの勤務で睡眠時間は貴重なはずなのに、早起きして来てくれてたなんて……。
「それに宮本はっ――」
「あ~~!! もう充分です!! もう結構ですからっ!!」
笑みを浮かべて話し始めた浅野さんを、おまわりさんが真っ赤な顔で慌てて止めた。
「なんだ、つまらんなぁ」
ボソッと呟いた浅野さん。
おまわりさんを見るその瞳は、なんだか息子をみているような温かい眼差しだった。

