恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



私は反射的にすぐにおまわりさんから離れた。


おまわりさんもぎこちない素振りで、探しものをしているふりをしている。



まずい。まずいよ……。

今の私達って、絶対変だよね。



顔を赤くしている私達を、さっき出て行った警察官が交番の扉を閉めながら見ていた。



ドキドキと音を立ててる胸に手を当て、落ち着かせるように唾を飲み込むと、警察官が思いがけない言葉を口にした。



「宮本、仲直りしたのか?」


え……?!



警察官の言葉に、おまわりさんは真っ赤な顔で答えた。



「……やっぱり浅野さんは気づいてたんですね?」


「長年警官してるんだから、そりゃ気づくよ。それに、おまえの態度や彼女の表情を見たらすぐにわかった」



何? どういうこと!?



「すみません、時間つくって頂いて……」


「そんなのいいから、おまえ仲直りしたのか?」


「はい……」


「そうか、よかったな!!」



浅野さんという警察官は、嬉しそうにおまわりさんの背中を勢いよく叩いた。