「ごめん……俺ってすごい幸せ者なんだなって思ったら……なんか、言葉が見つからない」
恥ずかしそうにおまわりさんの瞳が瞼の奥に隠れる。
私は初めて見るおまわりさんの姿に、鼓動が高鳴った。
「俺、美樹ちゃんの気持ちわかってたつもりだった。
きっといろんな所で気を遣ってくれてるって思ってた。
なのに、俺……」
おまわりさんは自分を責めているような顔つきで深く息を吐き、私の目を見て話を続けた。
「自分が情けないよ。美樹ちゃんに繋いでた手を離されたくらいで不安になったんだ……」
え……?
おまわりさんが不安に……?
「友達に俺と付き合ってること知られたくないのかなって感じて……
美樹ちゃんに別れたいって言われた時、俺何も言えなくなってた。
だから、ごめん……美樹ちゃんの気持ち、俺全然わかってなかった」

