恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



「私、おまわりさんの邪魔になりたくなかった……。
高校生の私と付き合ったら、世間は良く思わないだろうし……おまわりさんが悪く言われるのがいやだった」


私の言葉におまわりさんは何も言わず、黙って私を見つめる。



「だから、別れなきゃって……」




私は何よりもおまわりさんが傷つけられることがいやだった。



おまわりさんはどう思ってたの?

私もおまわりさんの気持ちが知りたい。




「美樹ちゃん……」



少しぎこちなく私の名前を呼んだおまわりさん。


おまわりさんの頬が、少し赤くなったような気がした。



「理由は、それだけ……?」


「はい」



質問に一言で答えると、おまわりさんが急に視線を逸らした。


そして見る見るうちに、その顔が赤く染まっていく。




「おまわり……さん……?」



顔を覗き込むと、おまわりさんは赤くなった頬を隠すように口元に手をあてた。