恋 時 計 ~彼はおまわりさん~





「おまわりさんのことが好きです」



言葉を言い終えたと同時に、温かい感触が私の唇を塞いだ。



隙をついたような一瞬のキス。



目を丸くした私の顔の数センチ先で、おまわりさんの顔が静止する。


ドキドキと高鳴っている鼓動を感じながら、私はおまわりさんの瞳を見つめた。




おまわりさん、

今のは、キス……だよね?



瞬きすら出来ないでいる私の鼓膜を、おまわりさんの声が刺激した。



「おまわりさんて呼んだらキスするって言っただろ?」


「――あっ!!」



大きな声が出て慌てて掌を口にあてると、おまわりさんはにんまりと笑みを見せた。




ずるいよ、おまわりさん。

こんな時にキスするなんて。


泣かないって決めてたのに、嬉しすぎてもう涙が止まんないよ……。