「智子、私おまわりさんとちゃんと話してみる」
「ほんと!?」
「うん……」
大きく頷いた私に、智子が「頑張れ!」って手を握ってくれた。
力強い智子の手……
きっと智子は、私が自分からおまわりさんと向き合おうとすることを、待ってくれてたんだね。
気持ちが引き締まった私の作業は、不思議なくらい上手く進んだ。
先生ほどではないけど、釘が思うように少しずつ板の中へと消えていく。
「できた~!!」
看板が完成したのは、夕暮れ時になる前だった。
みんなで片付けを済ませると、クラスの委員長が鈴木先生に作業が終わったことを告げに行った。
私は委員長が戻ってきたら、先生に携帯を返してもらっておまわりさんにメールを送ろう……
そう思っていた。

