「あれ? 先生は?」
看板造りに戻った私に、智子が疲れきった顔で聞いてきた。
「これ渡されたから、後は自分たちでやれってことだと思う」
私は不機嫌なまま、袋に入った釘を智子に渡した。
「何かあったの?」
「大有りだよ~。先生に携帯没収されたぁ……」
「え~~!?」
智子の声の後、私は地べたに座り込んで大きく溜め息をついた。
携帯を没収されたことで、先生の前で泣いたことまで後悔してしまう。
どうして先生に、想いを聞いてほしいなんて思ったんだろう……。
バカだね、私……。
看板造りをしながら、私は教官室での出来事を智子に話した。
すると智子は、作業をしていた手を止めて、私に顔を近づけた。
「ねぇ、美樹……、
美樹の運命の人って、もしかして鈴木先生かな……?」
えっ……?
智子の発言に、私は目を丸くした。

