「青木、携帯持ってる?」
「えっ?」
「今日って青木の誕生日だろ?
誕生日プレゼントやるから貸して」
目の前に出された先生の掌に視線を向けた。
誕生日プレゼント?
どうして携帯なんかを……。
携帯電話を学校に持ってくることは罰則。
だから一瞬ためらったけど、智子からもらったプレゼントを思い出して、私は先生に携帯を渡した。
先生もストラップくれるの……?
そう思ったから。
だけど、先生の行動は思いがけないものだった。
「ハイ没収!」
「ええっ!!??」
私の携帯を手にすると、先生はそのままズボンのポケットに携帯を入れた。

