恋 時 計 ~彼はおまわりさん~




森林の入口と思われる細道をゆっくりと歩く私達。


青々と茂る草木に、雨の雫が輝いて見える。



こんなふうに雨を綺麗だなんて思ったことはなかった。




空を見上げ清々しい空気を胸一杯に吸い込む私に、おまわりさんが声をかけた。


「ここだよ」




おまわりさんの顔から視線を前に向けた私の目に映ったのは、


鏡のように空を映す綺麗な湖だった。




「わぁ、綺麗!!」


目を大きくした私は、おまわりさんの手を引き湖に近づいた。


「おまわりさん、魚いるよ!! ほら、あそこにも!!」


ピョンピョンと跳ねる魚を間近で見るなんて初めてだよ。




はしゃぐ私を見て、おまわりさんの瞳が優しく微笑んだ。



あっ……

なんか一人ではしゃいじゃって恥ずかしい。



急におとなしくなった私に、おまわりさんが口を開いた。