「彼はおまわりさんなんだ。
優しくて誰にでも思いやりがある人で、最高の彼氏!」
こんなふうにおまわりさんを自分の彼氏って紹介できるなんて、本当に幸せ。
世界中に言いたくなっちゃう。
『この人が、私の彼氏です』って。
にやけた私の顔を見ながら鈴木先生が口を開いた。
「おまわりさんって、警察官のこと?」
「うん、そうだよ」
私が答えると、鈴木先生は難しい顔をして椅子に座った。
「先生? どうしてそんな顔するの?」
先生の前の席の椅子に座った私は、眉間に少し皺を寄せた先生に視線を向けた。
先生の顔を見てると、自然とにやけていた顔の筋肉が元の位置に戻っていく。
どうして?
何か問題でもある……?
なかなか口を開かない先生に、苛立ちのような焦りが走る。

