恋 時 計 ~彼はおまわりさん~




「ねぇ、智子は拓也くんとどんなふうに付き合ってるの?」


「どんなふうに?」



私は首を傾げる智子に顔を近づけ、真剣な眼差しで聞いた。



「例えばどんな時に電話したり、会ったりするの?」


「どんな時って……
話したくなったら電話するし、会いたくなったら会おうって言うよ?」




智子のもっともな答えに、私はゆっくりと頷いた。



「そうだよね、会いたくなったら会うんだよね……」


「美樹、どうしちゃったの?」




考え込んでる私を不思議そうに見ている智子。




私も今の自分が不思議に思える。


いつだっておまわりさんに電話したい。

おまわりさんに会いたい。



だけど、それが出来ないんだ。



おまわりさんは今忙しいんじゃないかとか、

迷惑なんじゃないかなって、頭が先に考えちゃう。