どれだけ時間が経ってたんだろう。
時計のない布団の中の世界は、
まるで二人だけの空間だった。
『美樹ちゃん、ちょっと布団から出てみて』
おまわりさんに言われて布団をめくると、黄色いカーテンから光が射してた。
「えっ、もう朝?」
『そうみたい。 俺達何時間も話してたんだね』
まさか朝になってるなんて……
驚いた。
『この空、俺達が初めて目が合った日の空に似てない?』
おまわりさんの言葉に、私の鼓動は大きく音をたてた。
初めて目が合った日……
それは桜の花びらが風に舞い、
私の掌からおまわりさんの肩に花びらが舞い降りた日。
そして、
私がおまわりさんを好きになった日。
おまわりさんは、あの日のことを覚えててくれたんだ……。

