「自分はピッチャーを辞めません」



「お前はライトにむいてるんだ。

上手くなればスタメンだ。

今のお前でもベンチには入れるんだ。

今だと確実にアルプスだ。

3年間無駄にするつもりか!!??」





「辞めません。

自分はライトにも

ファーストにもなりません。

自分はピッチャーをやります。」





「…………いいんだな」





「いいです。

自分はピッチャーをしに

練習に出てる様な物なんで…。」









「…」





「失礼します」







確か前にもこんな辛い時があったな…。

あぁあのときだ。

1年の秋。

美波に褒められたけど

先輩には睨まれるようになって

先輩の数人には

『調子にのんな』って言われた。

あの時はショックだけど、

何とか乗り切れた。

今も……ちょっと辛いんだ。