そこで跳び起きた。


また、あの時の夢だ。
今でも、生々しく覚えている。

「…クソッ…!」

モヤモヤが晴れない私は、額に手を宛て、落ち着こうと試みる。

……大丈夫。あの時の事は、心の奥底にしまい込んだ。感情という名の鍵を掛けて。


「…お前は、誰の物だ?」

耳元で忘れもしないあの声が聞こえた。

「貴様!!?」

いつの間に、いたのだろう。

振り向くと、漣 龍我がそこにいた。

「嵐と馴れ合うつもりかい?違うだろう。涙南、君は私の物だ」

「漣と馴れ合うつもりなどない!!私は、お前を殺しに此処へ来た!!」

私はベットから跳ね退き、漣 龍我を睨む。