あの日の夢を見た。



暗闇の中、血を流して倒れる父。
母の首筋に牙を突き立て、血を啜る、奴。

奴は血を吸い、満足したのか母を離す。
母の体は、ズルズルと崩れ落ちる。

「…お父さん?お、お母さん!?」

小さかった私は何が起こったのか、解らなかった。
倒れている両親の元に駆け寄り、動かない体をユサユサと揺らす。


「お前、こやつらの娘?……嫌、違うな……」

奴は私をなめ回すように見ると、突然、笑い始めた。

「クックックッ。そういうことか…!」

奴は私の腕を掴んで、引き寄せる。

「離してぇ!!!」

「お前を私の物にしてやろう」

耳元で聞こえる声。
次の瞬間……、