三・マジックバー



マジシャン「いらっしゃいませ」



一人でバーってメチャクチャ気まずい…



しかもクリスマスイブなだけに周りはカップルしかいないじゃん…



正樹はこの状況になる事を考えなかったのかしら?



正樹もマジック好きで私によく見せていたけど下手だったなぁ



正樹「どうよ?凄いだろ?」



美樹「全然」



正樹「じゃあ次のはビビるよ」



……



正樹「凄いべ?」



美樹「正樹…マジックのセンスが全くないね」



正樹「今度やる時は凄いの見せてやるからビビるなよ」



もちろん後日やったマジックも大した事がなかった。



毎回得意気に見せていたけど正樹は手先が不器用で全くマジックになってなかった…



でもマジックだけは大人になっても意味なく頑張ってたなぁ



本場のマジックを見て楽しみ店を出てたけど次のプランまで時間があったので思い出の場所に行ってみた。



この公園で正樹とファーストキスしたんだ…



ベンチに座っていると正樹が無言で手を握ってきて「美樹ちゃん…手が冷たくなってるよ」



美樹「うん…」



正樹「俺が一生美樹ちゃんの手が冷たくならないよう握って離さないからね」



美樹「正樹…」



恥ずかしかったけど正樹の顔を見ようとした瞬間にキスされた…



私も心臓が破裂しそうだったけど正樹の心臓の音も聞こえたなぁ



この景色見ると昨日の事のように思い出せるな。



…そろそろ次のプランに行かなきゃ!