「お待たせ」 「お兄ちゃん早っ!」 ドアの音がすると共に、あたしは笑顔で振り向く。 「…って、ええええっ!!?」 有り得ない光景に、あたしは言葉を失ってしまった。 目の前には…スーツを着て、髪の毛も整えて、きちんとした格好のお兄ちゃんがいた。 「ご飯を食べに行くだけで、そんな格好するの!?」 あたしが驚いた表情で言うと、お兄ちゃんが溜め息をついた。 「…誰が、ご飯に連れてくって言った?」 .