「は、離して――――!!!」 そう叫びながら暴れる桃。 「やだよ。 お前逃げるじゃん」 俺の言葉を聞いた瞬間、 一瞬だけ桃がおとなしくなった。 ………図星だったんだな。 そう思うと同時に、 また桃が叫びだした。 「わ、分かりましたからっ…! 逃げませんから降ろしてくださいぃぃっ……!! あたし…… 高所恐怖症なんです―――っ!!」 ………は?? 「おめー、早く言えよ」 「……………………」 なんか俺、 悪いことしたみたいじゃんかよ。 .